2018年3月2日
激しい風雪、ホワイトアウトの秋田から9時間余りかけて行って来ました。

奈良県南部に位置する天川村は、戦の必需品である弓竹の矢の産地として知られ、南朝方、織田、豊臣両氏から天領になった江戸時代に至るまで矢竹を上納していました。その後、明治22年「町村制」の発布と同時に「天川村」となり、村改百年を経ての歴史を刻んでいます。ちょっと、「天河」と「天川」の意味を知りたかったのでした。

ドキュメンタリー映画「地球交響曲」八番に出てくる天河神社の映像は神秘的で、境内近くに立つ大イチョウの古木が特に印象的でした。パワースポットと呼ばれるに相応しく、生命力を持って迎えてくれました。

雪がある3月3日早朝の朝拝は、寒さと共に身が引き締まる緊張感でした。様々な思いがスーッと整理されたのは、天河神社の由来にあったかもしれません。

飛鳥時代の大海人皇子によって創建された後に聖域化され、「天の川」という河川名が生まれたとその歴史は伝えられているようです。飛鳥時代の壬申の乱、空海(弘法大師)の参籠や、山中に籠った円空や西行の歌などから、自己を見つめ直す新たな始まりと再起。再出発するには、自らを束縛している囚われやこだわり、プライドから解かれる必要があります。何もない自分に気付き、許され生かされている生命であるという自覚…..それらと共に心の底にあった小さな氷の塊がスーッとと溶けると同時に涙がこぼれていました。

人間の生命は、心と体の調和があってこそ健康なんだと教えられた旅でした。

1泊2日の宿は、天川村せせらぎの宿「弥仙館」。夕食、朝食共に真心こもった地産の食材で、とても美味しく頂きました。京都から嫁いできた奥様の味付けは上品な薄味で食べやすく、地酒も爽やかな味わいでちょっと調子に乗ってしまいそうでした。

夜も遅かったのに、朝早くから宿のご主人が天河神社まで送迎してくださり、沢山の天川愛のお話しを聞くことができました。一生懸命頑張っているご夫婦のおもてなしを頂き、感謝と感動でまた来たいなあという思いで出発致しました。

4名1部屋でゆったりした綺麗なお部屋。インターネット予約を利用したところ、2食付きで1人1万円と超リーズナブルな価格でしたよ。天川村は「呼ばれなくては行かれない所」と言われているらしいですが、是非是非オススメです。求めよさらば与えられん!!

 

(Posted by 松本幸子)