先日、放射線の生体影響について、量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所の柿沼志津子先生(放射線影響研究部部長)の講義を勉強して来ました。放射線は、宇宙が出来た時に生成され、見えない、感じないけれども確かに存在しており、約100年前に発見されたものだそうです。生活環境中に常に存在していて、食物の中、生物の中に存在しているとのこと。

現代では医療など暮らしの中で利用されている事はよく知られています。レントゲン、X線CT、癌治療、手荷物検査のほか、車のタイヤ、電気コード、プールで使うビート板など、様々な生活分野で利用しているそうです。

宇宙での放射線量は地上の150~300倍で、飛行機の中では、勿論宇宙に近い分、放射線をそれなりに浴びているということになります。放射線の生体影響については、生活の中で自然に浴びている量については生体影響の心配は無いそうです。煙草の喫煙によるリスクの方がはるかに大きいと力説されていました。

ちなみに、X線はレントゲンさんが発見しました。その後、ベクレルさんがウラン鉱物が放射線を出す性質を発見し、キュリー夫妻がこの性質を「放射能」と名付けたそうです。キュリー夫妻はベクレルさんと共にノーベル物理学賞を受賞し、キュリー夫人は女性として最初のノーベル賞受賞者となりました。そういえば、始めて小学生の頃に読んだ伝記がキュリー夫人だったなあと懐かしく思い出したりしました。

専門的な難しい内容が盛りだくさんの講義でしたが、とても分かり易くお話くださり、研究というのは非常に根気のいるものだと感じました。この分野は、これからの時代に必要な分野であり、関心を持っていきたいものです。また、普段みなさんの前でお話しする立場としても、今回の講義は「どのように伝えるか」ということが大変勉強になりました。

機会を見つけて、いろんな分野の話を聞きに行ってみたいと思います。

 

(Posted by 松本幸子)